カンブリア宮殿:200回スペシャル第2弾 日本は生き残れるのか?

6月 8th, 20100 Comments »

カンブリア宮殿ロゴ200回スペシャル第2弾 日本は生き残れるのか?
日本はどう変わればいいんですか?そんな煽りから始まる200回スペシャル第2弾は、日本は生き残れるのか?をテーマに、剣豪集団 会長 鄭剣豪(46)、バイドゥ取締役 陳海騰(43)、サンアンドサンズアドバイザーズ 社長、サンジーヴ•スィンハ(37)、ITTR社長 サチン・チョードリー(36) という若手外国人経営者を招いて、日本の進む道について考える1時間でした。

日本の中小企業の中国進出

兵庫県淡路島の外れにある古ぼけた小さな工場、カワノプラスチックは海外生産の安いプラスチック製品に押され経営者が廃業も考える業況だったが、中国に進出して大成功。中国進出を主導(?)したのは剣豪集団の鄭剣豪氏。進出して5年、売上は3倍に急増。

従来のように「安く製造するための製造拠点」ではなく、「中国で販売するための拠点」としての中国進出。日本では衰退一直線の繊維業界の企業も剣豪氏主導で中国進出。
日本の中小企業に眠る技術が、中国進出とその成功を導いている。
以下は剣豪氏への質問と回答。(注:引用はしていますが、一言一句正確に書き起こしているわけではありません)

Q.具体的にどういう依頼が多いんですか?
A.日本企業の中国進出のいろいろな問題をクリアしていくには我々の手伝いが必要。
Q.大企業は既に進出していますよね?
A.今までは大企業がコストを下げるために中国に行って、中国の中小企業を使って商品を作っていた。大企業は黒字や増収増益になった。問題は、日本の大企業の下に、何十万社何百万社の中小企業が取り残された。こういう中小業をいかに中国の大企業とつなげていくか。大企業の裏には市場がある。中国も日本の中小企業を欲しくても手を組む方法がわからない。私たちが見れば地方の中小・中堅・製造メーカーは日本の宝物。日本だけではなく、アジア・世界の宝物。

バイドゥの戦略:日本企業を設けさせる秘密

中国で7割という圧倒的なシェアを誇り、世界3位の検索サイトのバイドゥは時価総額2兆円、従業員は8千人。カリスマ経営者は41歳。
そのバイドゥで「会議室 東京」と検索するとトップに出てくるのがTKP。検索順位を購入し中国からのアクセスを急増させ、中国から出張してくる中国人ビジネスマンを取り込んだ。バイドゥを使えば、中国の13億人とビジネスが可能になる。

Q.バイデゥは世界最大の検索サイトですよね
A.中国のネットユーザーは約4億人、バイデゥはその7割(のシェア)。3億人のユーザーを持っている。我々を一言で言うとテクノロジーをベースにしたニューメディアカンパニー。中国語のホームページを作り、バイドゥで10万20万の広告を出せば、3億人にリーチ出来る。日本の人形会社は毎月20~30万のリスティング広告で100万円を越える売上高をあげている。

Q.日本の評価、良い点と悪い点を10点満点で表すと?
A.良い点8:悪い点2
 日本の良い点はたくさんある。例えば、工業、米(農業)、健康、小池栄子、環境等、日本が世界でもアジアでも優れている。
 駄目なところは、ポストを若者にあげないところ。中国では100万人の州知事は45歳を超えたら資格がなくなる。日本企業の会長は70代が多い。若者が抑えられてのんびりして・・・日本人の若者から刺激を受けない。逆に年を取っている経営者の方が刺激がある。これはおかしい。
A.良い点8:悪い点2
 全体的にものづくり。スーパーで買う果物とかは工場で作っているのかと思う。鮮度も形も素晴らしい。もうひとつはサービス業。中国人は日本のサービスで感動している。世界一だと思う。

脅威のインドパワー

インドのショッピングモールで大人気の「インド初の居酒屋」を仕掛けたのは日本育ちのインド人、ITTR社長 サチン氏。
インド進出を目論む日本企業へのコンサルティングを行っているのは、インド工科大学卒でGS、みずほ証券、UBS証券などを渡り歩いたエリート、サンアンドサンズアドバイザーズ 社長、スィンハ氏。

Q.先程の質問、日本の良い点と悪い点は?
A.良い点9:悪い点1
 悪い点はビジネスでも政治でも決断が遅い点。スピード感がもうちょっと。
A.良い点9:悪い点1
 多様性が少ない点。いろいろな意見の違いを理解できない文化になっている。

サチン氏は鳥取をIT集積地にし、技術者を2万人集めるというプロジェクトを動かしています。「日本の地方は人材難で苦しんでいる。それなら逆輸入して地方にベースを作り、仕事を作っていけばいい。現地の人を採用して、ここで貢献していこうと考えた。」

Q.なぜ鳥取?
A.人口が一番少ない県。すくないからスピードが速い。知事や視聴も人口拡大や若者のUターンに感心が。
Q.なぜインドはソフトウェアで強い?
A.一番英語を話す人口が多いのがインド。ソフトウェアは数学とプログラミングの全てが英語。アメリカの技術者の50~60%はインド人。
Q.インド工科大学はすごいらしいですね?
A.入学試験の倍率は100倍。合格率1%

インド工科大学は人気大学。定員7500人に対して、45万人の応募が。ただ、貧しい出のスィンハ氏がなぜ大学を出られたのか?それは学費が安いから。現在でも年間7万円。

Q.学生はよく勉強する?
A.不可能という言葉がないほど激しい環境。先生からいきなり「来週からこういうアルゴリズムの勉強が始まるので、来週までにC言語を勉強してきて下さい」というのをコンピューターを見たことがない学生に言う。

年寄り国家が日本を滅ぼす

管新首相の就任時年齢は63歳。ロシア、イギリス、アメリカは40代。フランス50代、中国でも管首相より若い。カンブリア宮殿のゲストの年齢分布でも大半が60歳以上。活躍しているのは高齢の経営者。

Q.中国インドはなぜ若手経営者が出てくる?
A.一言で言うと経済がダイナミックに変化している。日本は社会的に成熟しているから起業が(比較的)難しい。ほとんどの分野を大企業が抑えている。
Q.世界は変化している、高齢経営陣は変化への適応力が若い人に劣るのではないか?
A.「辞めて」と言うことを美徳と思わなければならない。成功体験があるアドバイザーとして(やっていく)。日本もそういう雰囲気になって欲しいし、大変化の中にあるから、今後はそういう風になるだろう。

日本の実力は・・・

Q.好景気のころは、日本人は「日本はものづくりの国だ」と言わなかった。バブル崩壊後、言うようになった。それこそが日本の衰退の象徴ではないか。現在の製造業者の中で、競争力があるのは何%くらい?
A.50%はあると思う。日本はものづくりの国だという認識は正しい。
Q.逆に言うと50%はいらないということ?
A.いらない、それは日本ではいらないということ。世界では必要。海外でものを作ろう、世界に売ろうと。そうすれば海外には市場があるから。

A.ものづくりに関して言えば、日本はダントツナンバーワン。ただ、若い人口が減っている中で何をしなければならないのか。日本の中小企業に足りないのはグローバル化とマーケティングPR。インドでは韓国企業が入ってきている。なぜインドに入らないのか、もったいない。
Q.韓国のサムスンに日本が負けたとよく言われる。それをもって韓国がどうだ、日本がどうだというのは間違っていると思う。
A.狭い概念で考えるのは間違っている。変えていくべき。サムスンにも中心メンバーに日本人がたくさん入っている。日本の部品製造技術というのは狭い概念のものではなく、国際的にもう一度整理整頓して、譲るべきものは譲る、堅持するものは堅持して、日本と中国を1つの舞台と考えるべき。私から見れば日本の企業は全部チャンスです(チャンスがあるということ)。

チャンスは、あるということで番組は終わります。大分はしょったのですが、長くなってしまいました(笑) 番組の最後に剣豪氏が語ります。

本来は1000億円の価値があるが、日本では800億円の価値くらい(としてしか認められていない)。過小評価している。日本には日本の価値がある。この技術、建物、企業。日本にはもの凄い価値がある。

感想など

今日は書き起こしに近い記事になりました。しんどいので要約の方がいいのですが、今回は特に経営者インタビューの回答が興味深かったので、このスタイルにしました。
大体日本再生の議論になると、日本人経営者の場合「規制緩和」「外需獲得」「起業促進」というキーワードに集約されることが多いように思います(上記以外にあれば教えて下さい)。一方、今日の放送に出演した外国人経営者曰く、日本再生に必要なのは「グローバル化」「マーケティング」「世代交代」「寛容さ(多様性を認める)」。
剣豪氏が若者から刺激を受けないと言うとおり、若者がもっと頑張らないとまずい。それを政府の責任だとする日本人経営者と、高齢者が(色々な意味で)強いとはいえ、若者自身の責任だという外国人経営者。
もちろん、立場を考えない発言をする脇の甘い人達ではないはずなので、思っていることをそのまま言っているとも思えません。ただ、もっと「若者自身の責任」というのを考えるのも大事かも知れません。
僕自身は自分でやっていこうとしている身ですが、安定を第一に考える若者が多いことは国の政策の問題が一番多いだろうと思っていました。自分の身に降りかかることに対して他人の責任だと言ったり思ったりすることは有り得ませんが、「僕たち若者」の境遇については国の責任だと言ったり思ったりしているわけで、これもある種責任転嫁かな、と。

普段とは毛色の違う経営者が4人も出てきて、事前の予想通り非常に楽しめる回でしたね。次回はグリーの田中社長。次回も楽しみです!!

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