日本証券業協会という機関があります。これは、証券業者(証券会社など)が悪いことをしていないか監視したり、法律ではグレーだけどあまり好ましくない事態を招きうる証券業者の行動に対して自主規制ルールを作ったり、という機関です。他にも色々やってますが、そういう団体だと思って下さい。
その証券業協会が『新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について』という自主規制ルールを設けようか検討中で、それに対する意見を公募しているというタレコミがツイッター上であり、議論をよんでいます。
端的に言うと、「上場前に個人投資家から資金調達していたら、上場させてあげない!」という話です。でも、さすがにそれではアレすぎるだろうということで、以下の例外があります。
ちなみに、この自主規制の目的は、未上場株詐欺の被害に遭う個人投資家が一向に減らないから、被害を未然に防ぐため、だそうです(詳しくはPDFを)。
未上場企業は上場前に様々な形で資金調達をします。代表的なのが「銀行借入」と「増資」です(詳しい方からは突っ込まれる確率の高い表現ですが、議論を単純化するための措置です。正確で詳細に知りたい方は独学して下さい)。
銀行借入は言うに及ばず、銀行の担当者が営業に来る、あるいはこちらから出向く、会社の内容について審査される、貸し出し金額と利率が決まる、ざっくり言うとこんなとこです。普通に借金していると思って頂ければ結構です。
増資は会社の株式を新規発行し、会社が指定する人や組織に割り当て、割り当てた人達からお金を指定口座に振り込んでもらい、株式を渡します(現在は電子化してますが、なるべくわかりやすくなるよう書いてます)。
どう資金調達をするかは会社の方針に従うのですが、一般的に、上場を考えている未上場企業は、従業員や取引先、取引金融機関、場合によってはベンチャーキャピタルや個人投資家などから資金調達をするケースが多いです。理由は、上場した時に株価が上がることを見込んで「従業員・取引先などの上場に貢献してくれた人達に儲けてもらうため」だったり、「銀行が貸してくれない規模の金額を調達するため」だったりします。
じゃぁ、「いつ」「誰から」「いくらで(増資時の株価)」「どれくらい(調達資金規模)」を調達するかを事業計画書を見比べながら作るのが資本政策です。資本政策が甘い会社は不意に資金難に陥ったり、外部株主の力をコントロールできなくなったり、時にはクーデターにあったりします。イケイケの経営者は絶対に重要視しませんが、資本政策は企業経営上、大変重要なものです。
未上場株資金に纏わる詐欺行為は特にIPOバブル時に発生件数が増加します。よくある手口をひとつ紹介しましょう。
登場人物は①上場予定(嘘)企業の経営者、②上場予定企業の顧問(的な立場の人)、③詐欺に引っかかる個人投資家、の3者です。以下、①経営者、②顧問、③個人投資家と記載します。
これが使い古された未上場株式詐欺の手口です。今は手口がより巧妙になっていることでしょう。上記手法は僕が実際に聞いた話です。同様の手口が新聞等でも報道されていたと思います。報道された企業の事業内容は忘れましたが、僕が聞いた企業(聞いた時にはまだホームページが生きていました!)の事業内容は「モバイルコンテンツプロバイダー」でした(笑)。具体的にどういうコンテンツを提供したのかは記載されていませんでしたが、会社概要で近い将来の上場と、売上の推移を公開していました。事業が何となくうまく行っていそうで、内容はよくわからないけどIT企業って言うのはこういうもんだろう、という方が被害に遭われたのかと思います。自分が理解できないものには投資しないのが鉄則でしょうか。
ということで、本題になかなか入れませんね(苦笑)。あとは「基礎知識:上場時の証券会社の役割」「この自主規制が未上場株式詐欺撲滅に貢献するか」「なぜ優秀な人達なのにこんな馬鹿なことを言い出すのか」などなど書きたいと思います。それは次のエントリーで。
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