日本証券業協会の自主規制案批判への批判

新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について』については、以前エントリーを書きました。[1][2][3]

この規制の目的が未公開株式詐欺の抑制とか撲滅とかそういうことみたいなので、それに対して貢献しないという意味では、僕も反対です。実施すべきではない。ただ、この規制案をネタにして「ベンチャー企業の夢を打ち砕く」とか「ベンチャーを殺す」とかそういうこと言う人ってどうかと思います。このネタで検索して、お越しになる方も割といらっしゃるので、「変に影響されないように」気をつけて頂きたいです。

批判している人は「義憤」にかられているので冷静な判断が出来ていないようです。だってベンチャーが死ぬとか資本主義が死ぬとかそんな話してますから。両方死にません。上場に値するベンチャー企業はこれまで通り上場できます、例え個人投資家から出資を受けていても。様々な要因(業績、成長余地、コンプライアンス、内部管理体制等々)により上場に値しない企業は、今も、そしてこれからも、この規制の有無にかかわらず上場できません。シンプルな話です、いい会社なら上場できます、グリーのように。

問題は、この規制案が本来の目的に対して「無意味」なことと、上場を押さえつける裁量を(恐らく)日本証券業協会が持つことにあります。なぜ無意味なのかは過去のエントリーで述べました。裁量について述べます。

上述したとおり、いい企業(証券会社が上場の推薦をしたい、主幹事契約したい)であれば、過去に個人投資家から資金調達をしていても、上場できます。例外規定がありますから。ただ、その例外規定が曖昧な表記の仕方なので、よろしくない裁量が入る余地があります。例えば、日本証券業協会に多大な貢献をしている某証券会社を主幹事にしないと上場させないよ、とか(実際は、主幹事を務めようとしている証券会社に対して日本証券業協会が制裁を加える、あるいは、それをちらつかせるという形で、裁量を働かせる余地があります)。もちろん、現実的にこういうことが発生するかといえば発生しないと思いますが、問題は発生しうるというところです。ルールを作る上ではこういう「穴」はふさいでおかなければなりません。

この2点は問題です。現実的に発生する可能性も加味すると悪影響としては非常に小さいレベルなので、無視してもいいような気もしますが、それでも問題は問題です。

だから、ココに対して「問題だ」というならいいんです。それはその通りです、としか言えません。未上場株式詐欺はこんな自主規制では減少しないからやめろ!とか、不自然な裁量を働かせる余地を持たせては駄目だ!とか。ただ、義憤に駆られている人達は「ベンチャーの上場意欲を削ぐ」とか「ベンチャーを殺す」とか「経営者の夢が云々」とか言います。自分で書いてても思いますが、非常に非論理的。

何度も言いますが、ベンチャーは死にませんし、相変わらず上場できます。

まぁベンチャーを殺すなと言っていれば、自分の価値が上がる方もいらっしゃいますので、言うなとはいいませんが、読む方には冷静な態度が求められるかと。

ということで、表だって批判はしません。誰も見ないブログでこっそり陰口言うことにしてます(笑)

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