プレゼンテーション Zen デザインはプレゼンテーションZEN[紹介記事]の続編で、前作がコンセプト寄りだったことと比較すると、デザイン寄り、特に細かい部分も含めたテクニックが多く掲載されています。
いつものように、結論から書きますと、買いです。が、ベストチョイスではありません。ベストチョイスにはなり得ません。
今作のZENデザインは、ある程度(プレゼンテーションのデザインについて)勉強した人向けの作品に思えます。前作のプレゼンテーションZENがコンセプトに重きを置き、テクニックについてはほとんど触れられていなかったことに対し、「デザイナー思考のための14条」「書体の選択」「テキストの配置」「画像の上にテキストを重ねる」「余白表現」「スペースの活用」「動きを取り入れる」などから「オリジナルの写真を撮る」というちょっと広げすぎではないかと思うくらい、多岐にわたったテクニックを紹介してくれます。もちろん、豊富な実例(悪いスライド→改善したスライド→いいスライドのような)付きです。それなら、初心者向けなのかというと、そうでもないと思っています。
実は、テクニックはあれど「理論」はないんですね。理論とは原理原則であり、数学で言えば四則演算や各種の公式に当たるものだと思って下さい。デザインの世界で理論と言えば(ノンデザイナーの私の知識では)、関連する項目をまとめる「近接」、項目を意識的に配置する「整列」、決まりごとを繰り返す「反復」、異なる要素の間で作り出す「コントラスト」でしょうか。僕はこれらをノンデザイナーズ・デザインブック [フルカラー新装増補版]で学びました(この本については前作「プレゼンテーションZEN」で言及があり、やはりいい本だったのだという確信を深めました)。そういう理論的な言及はありませんので、数学で言う四則演算や公式に当たる部分は「習得した上で」、それらをうまく活用するための「テクニック」そして「インスピレーション」を提供してくれるのが本書です。
また、タイポグラフィ(文字)について、当然のことですが英語のみです。日本語フォントについての言及は全くありませんので、そこも他書で保管する必要があります。タイポグラフィについては、僕も勉強が足りていないのですが、数冊読んだ中では、デザイン アイディア&テクニック事典01「文字。」が一番ですね。アマゾン評価は誤植等を理由に低評価ですが。ここについては、よりよい本が見つかれば、追記で紹介or改めて書評記事を書くかします。
そうは言っても買いであることには間違いありません。テクニックの解説は非常に具体的ですし、受けるインスピレーションは秀逸です。プレゼンテーション資料作成関係の本、デザイン関係の本はたくさん読んできましたし、これからも読んでいくとは思いますが、この本は常に「ベター」であり続けるのではないかと思っています。ベターというのは、もっといい本があるというより、2冊目、3冊目として買った時に最大の効果がもたらされる、という意味です。セカンドチョイスとしてはベスト、かもしれません。
あ、でもそういえば、黄金比に関する言及がなかったのはマイナスポイントかも。
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