ガイアの夜明け:価格 vs 個性 ~ここまできた!新・外食戦争~

8月 12th, 20100 Comments »

中野区のサバイバル居酒屋・清貧8月10日のガイアの夜明けは、価格 vs 個性という煽りで、今の外食産業の戦いに注目した構成ですが。価格 vs 個性という対立構造にしていましたが、価格も個性のひとつですよね。でも、一般的に価格という名の個性で競争するのは避けるべきです。なぜなら、最終的には利益が出ないか赤字になるまで価格を下げなければならないから。ただ、この日のガイアの夜明けに出てきた企業は価格競争を仕掛ける企業でしたが、それだけの店ではないようですね。
本編に入る前に・・・冒頭で中野区の「清貧」というお店が紹介されていましたね。ココで紹介されていますが、ボンベキープに大爆笑しました。近くの方は友達誘って是非行ってみて下さい!!

激安の向こう側:三光マーケティングフーズ

価格競争を仕掛ける大手激安チェーンの代表として紹介されたのが三光マーケティングフーズでした。6月決算の会社で、おそらく今週に2010年6月期本決算が発表されるのだと思います。2010年8月11日現在では、時価総額110億円、PBRは1倍を切っていますが、PERは10倍程度と、飲食店としては平均的な株価がついています。財務ハイライトを見ると2010年6月期第三四半期売上197億円/経常19億円で、経常利益率10%弱と、飲食店としてはお手本のような利益率です。内容については、また別の機会に「外食産業スペシャル」とかの際に改めて見てみましょう。とりあえず、結構儲かっているみたいです。激安なのにしっかり利益を出すことが出来る秘訣は何なのでしょうか。
番組では、1品270円の商品を出すために、コスト削減について触れられていました。

  • 調理済みの食材を使う
  • 注文はタッチパネル
  • 近隣店舗間での人や食材の貸し借り
  • 仕入交渉

についてスポットライトが当てられていましたね。調理済みの食材を使うのは、例えば牛角やサイゼリヤなど、比較的低価格帯の外食チェーンではよく使われる手法ですが、注文をタッチパネルで行うのは、まだそう多くないかと思います。人件費がかなり削減できますよね。また、狭いエリアに何店舗も出店しているため、人や食材の貸し借りが比較的容易で、不要な在庫リスクを抱える確率も相対的に低い、当然、(食材の)廃棄率や廃棄コストに響いてきます。仕入についても、おそらく規模を後ろ盾に安く出させているんだと思いますが、それだけではなく、「こうすれば原価押さえられるよね」的な交渉も行う、と。コスト削減努力については、細かい部分も含めるとかなりタイトに行っているのだと思います。だから、低価格でも利益がしっかり残るんでしょうね。
また、ドミナント出店を推し進めるための研修についてもスポットが当てられていました。ニコニコ実況では「ブラック」とかネガティブなコメントが多かったですけど、僕は非常に興味深く見ていました。後半で触れます。
三光マーケティングフーズの場面の最後に流れていた音楽が綺麗でした。これみたいです。

個店が力を結集して、古き良き横浜を・・・

後半は一転、個性で勝負する個店の紹介でした。恵比寿横丁という飲食店街とそれをプロデュースした浜倉好宣さん。それと同様のコンセプト/戦略で「ハマ横丁」という飲食店街を作っていく過程が放送されていました。
個店にはやっぱり頑張って欲しいと思いますが、正直あまり語ることがないので、興味のある方はガイアの夜明けのホームページを見たり、検索してみたりして下さい。

マニュアルは死守すべきか、臨機応変に対応すべきか

三光マーケティングフーズの新店舗の責任者になる予定の方が、
「マニュアルにない盛りつけでも、お客様がこっちの方が綺麗じゃないかな、美味しいんじゃないかなと思ったら、マニュアルを無視して、自分のマニュアルで盛りつけをして・・・」
という発言をして、こっぴどく怒られていました。
ここって凄く難しいというか議論の分かれるポイントだと思うのですが、マニュアルっていうのは死守すべきなのでしょうか、あるいは、その場の状況に応じて臨機応変に対応するべきなのでしょうか。この会社の場合は「マニュアルを死守すべき」なんでしょう。前述の通り、かなりハイレベルなコスト削減努力の末のマニュアルですから、自社の商品を提供し、お客に満足してもらうための「最適な動き」が書かれているはずです。とすると、マニュアルから乖離する動きは「最適な動き」ではなくなり、店舗収益を圧迫します。マニュアルの質が高ければ高いほど、そこから逸脱すべきではない、ただ、絶対にマニュアル通りに動くことがいいかというとそうではないような気がします。
マニュアル通りに動くことがよくないのはどんな場合か、多分、非定型作業ですよね。トマトを5切れ取る、このお皿を選ぶ、トマトをのせる、ホール担当に渡す。これは全て定型作業です。また、会計をする、客を案内するのも定型作業ですし、クレームに対応するのも多くの場合定型作業だと思います。こう考えると、三光マーケティングフーズの店舗には非定型作業は存在しないのかも知れません。あるとすれば、従業員への対応とかでしょうか。もしかしたら、それも定型作業でマニュアルが存在するかも知れません。非定型作業の撲滅こそが、オペレーションコストの削減を意味するような気がしてきました。
さらに、非定型作業のよい部分はコスト削減だけに止まりません。「人に依存しない経営」が可能になります。多店舗展開をしている企業の悩みの種は、責任者を任せられる人材が稀少であるということです。出店する金はあるし、いい物件も見つけた、でも、店長を出来る人間がいない。よく聞きますよね。そして、店長をできるレベルに満たない人が店長をして、駄目になると。もし店長の仕事のほとんどが「定型作業」であり「マニュアルで規定できる」のであれば、出店の際に「人がいない」と悩む必要はありません。定型作業をできる人材であれば、あとは地域責任者的な人のサポートで何とかなります(実際はならないケースの方が多いですが、、、)。新規出店などの投資も行いやすくなるなんて素晴らしいことだと思います。
そこが、三光マーケティングフーズの強みなのかも知れませんね。

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