実務家にとって、最高の「経営戦略論の教科書」は何かと聞かれれば、企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続から始まるバーニーの戦略論だと答えます。
大学では経営学科に属していました。僕の先生は立派な方で、その専門分野では日本で随一の業績(査読付きの論文雑誌への掲載や被引用件数などの実績。著書の数とか売上なんて業績じゃないです)をお持ちで、世界的にも名前が知られています(世界トップクラスとまでは言えないようですが)。その先生に「このシリーズ3冊を読めば、経営戦略論の初級から中級までは『マスターしたと言ってもよい』」と言わしめたのがバーニーの戦略論です。
例えば「経営戦略論」でアマゾン検索してみると、2010/8/14時点で「4,061件」ヒットします。もちろん、関係性の薄いモノもあるでしょうが、それでも4,000件オーバーは以上です。「売れている順番」に並べ替えてみると、なるほど、上位には結構いい本もあります。僕が読んだやつだとストーリーとしての競争戦略や競争の戦略
なんかは名著だと思います、というか、後者は今に至っても読むべき古典ですが。で、バーニーの戦略論はいつ出てくるのかとページをめくっていると85位でした、上巻が。中巻、下巻はいつ出てくるのかとページをめくりましたが、200位になっても出てこない時点で投げました。しょうもないお手軽な戦略論の本を読む時間があったら、この本を1冊(上巻だけ)読んだ方がよっぽど力がつきます。骨太な本ですが、平易な言葉で書かれていますので、ビジネスマンなら確実にすらすら読めます。ほとんどの大学生にとっても、それほど苦労することなく読めると思います。ちなみに、原著にチャレンジしたい方は、今年の11月に4th editionが発売されるみたいですから、そちらをどうぞ。電子書籍になるんなら、僕も買おうと思います。普通に買ったら20,000円します(笑) Gaining and Sustaining Competitive Advantage
実は、この本は大学時代に買っていたのですが、しっかり読んでいませんでした。それよりも、マッキンゼーのコンサルタントが書いた戦略関係の本とか、MBA系の本(バーニーの戦略論もバリバリMBAですが)など、言葉は悪いですが、お手軽な本の方が面白かったですし、良書であるきがしていました。先生に「良書」と太鼓判を押されていたのに、それを無視して、積読コースまっしぐらだったんですね。
1年ほど前に、本棚にある本を整理している内に、この本が目に止まりました。あぁ、バーニーの戦略論ね、リソースベーストビューね、と懐かしい気持ちでぱらぱら読み始めてみると、止まりませんでした。すげぇ、何だこれ。こんないい本だったのか、と。要は、理解できていなかったんですね、この本の素晴らしさを。そして、就職して、投資家目線で数多の企業の「競争優位の構築と持続」について考える経験をした後にはじめて理解できた、ということです。
この本の良さについては、Amazonレビューが詳しいのでそちらをご覧下さい。このエントリーで言いたいことはそれではないので。
本を買う基準は人それぞれだとは思いますが、自薦・他薦問わず、何か心に響くモノがあって購入したのだと思います。そして、読了し、捨てたり売ったりせずに保管しているということは、何かしらその本に感じるところがあったのではないでしょうか。
僕は、恥ずかしながら、バーニーの戦略論の良さは理解していませんでしたが、先生が押していた太鼓判のおかげで本棚にキープしていました。そして、実務に携わってようやくその価値に気付くことが出来ました。
新著がとめどなく出版される昨今、それを購入するのもいいのですが、むしろ過去に購入した「骨太」な本を改めて読んでみることで、中途半端な新著を買うよりもっと勉強になる場合も多々あると思います。お盆はまだ2日残っていますから、せっかくですし、本棚の肥やしになっている「既に購入済みの」「名著」を読んでみてはいかがでしょうか。
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