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書評:賢者たちの決断 How the Wise Decide

賢者たちの決断賢者たちの決断という本を読みました。やばいです、久しぶりに立ち読みしながらブルりました。ざざーっと一瞬で読んでしまいました。読みやすいし、面白いし、なんかテンション上がります。この感じはどの本以来でしょうか・・・多分、ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか以来の面白さ。ビジネスに少しでも関心のある方なら読まれて損はないかと思います。====

内容について簡単に

世界でトップクラスの才能と経験を持つ経営者たちの意思決定術とは、いかなるものなのか?えり抜いた21人の賢者ひとりひとりを直接取材し、最も苦しく最も重かった決断の逸話を聞き出した。そこから導かれた6つの原則とは?

という煽りが本の表紙にあるとおり、意思決定について書かれた本です。よい決断をするための基本として6つの原則を掲げていて、それぞれ1つの章を使って言及しています。その章の中で、冒頭に「なぜその原則が重要なのか」について言及し、それに纏わるエピソードを紹介し、最後に纏めとその原則を実行するための方法が書かれています。

発売されたばかりの本なので、深く内容に触れるとまずいかもしれないので、6つの原則を箇条書きにだけしておきます。

  1. 源へ赴け
  2. 会議室を野人で満たせ
  3. リスクへの恐れを克服せよ
  4. 理念を日々の指針とせよ
  5. 狙いすまして聞け
  6. 透明であれ

1番2番6番はなんのこっちゃと思うかもしれませんが、読めば、あぁそういうことか、とわかります。要は「煽りタイトル」ですね。

序章引用:いきなりブルっとさせられるGSの話

参戦すべきか否か、それが問題だ。

意思決定術を教えてくれる学校はないというタイトルの序章は、上記の一文から始まります。

序章で言及されているのはゴールドマンサックスの会長であるホワイトヘッド氏の話です。1974年、モルガンスタンレーがクライアントの敵対的買収を支援することを明らかにしてから、一企業が資金力を武器に他の企業の資産を乗っ取るという行為が横行するようになる。多くの企業が、「食われないためには食わなければならない」と敵対的買収を計画し、投資銀行は助言手数料で巨額の利益を得ていた。ゴールドマンサックスはそれを傍観していた。参戦すべきか否か、それが問題だった。

その業務が莫大な収益を生むことは、ホワイトヘッドも承知していた。それに、吸収合併ブームの大波に乗り損ねると、二流投資銀行に降格してしまいかねないということもわかっていた。けれど、ホワイトヘッドの目には、他行のやっていうことがほんとうに顧客を支援しているようには見えなかった。敵対的買収の多くが、勝者と敗者の両方に不幸な結果をもたらしている。

(中略)

ホワイトヘッドは決断を下した。ゴールドマンサックスはいかなる企業に対しても敵対的買収を支援する業務を提供しない。

参戦しない、という意思決定をしたゴールドマンサックス。既存クライアントは他行との取引を開始し、他行は記録的な収益を計上。ビジネスチャンスを逃していると不満を持つ共同経営者。他行の友人が多額のボーナスをもらっているのを羨ましがる若手行員。

意思決定失敗?ところがどっこい、「健全な投資銀行」としての認知度が高まるにつれ、敵対的買収の標的とされている企業が次々と顧問役にゴールドマンサックスを指名してくる。それを見て、標的にされていない企業も将来 敵にまわる恐れのないゴールドマンサックスに助言を仰ぐようになる。

敵対的買収に断固与しないというホワイトヘッドの決断が他行との差異を際立たせ、健全な投資銀行と取引することを望む多くの企業からの引き合いに繋がったのだ。巨額の利益に目もくれず、乗っ取り劇にあえて参加しなかった英断は、ウォール街の伝説となった。当初は業績の足を引っ張ったその方針が、やがて高潔な企業イメージをかもし出し、ゴールドマンサックスを比類なき存在へと押し上げていったのだ。

優れた決断を下すのはたやすいことではない。しかし・・・(以下略)

という序文からこの本は始まります。いや、こんな綺麗事ばかりのゴールドマンサックスじゃないだろうことはなんとなく知ってますけど、読んでて気持ちいいです。

お勧めです、この本

ということで、お勧めです。この本。

あなたにとって最高の本は、既に購入済みで、読まれていない。

企業戦略論。最高の経営戦略教科書実務家にとって、最高の「経営戦略論の教科書」は何かと聞かれれば、企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続から始まるバーニーの戦略論だと答えます。

大学では経営学科に属していました。僕の先生は立派な方で、その専門分野では日本で随一の業績(査読付きの論文雑誌への掲載や被引用件数などの実績。著書の数とか売上なんて業績じゃないです)をお持ちで、世界的にも名前が知られています(世界トップクラスとまでは言えないようですが)。その先生に「このシリーズ3冊を読めば、経営戦略論の初級から中級までは『マスターしたと言ってもよい』」と言わしめたのがバーニーの戦略論です。====

経営戦略論の本多すぎ、さらに、駄目な本多すぎ

例えば「経営戦略論」でアマゾン検索してみると、2010/8/14時点で「4,061件」ヒットします。もちろん、関係性の薄いモノもあるでしょうが、それでも4,000件オーバーは以上です。「売れている順番」に並べ替えてみると、なるほど、上位には結構いい本もあります。僕が読んだやつだとストーリーとしての競争戦略競争の戦略なんかは名著だと思います、というか、後者は今に至っても読むべき古典ですが。で、バーニーの戦略論はいつ出てくるのかとページをめくっていると85位でした、上巻が。中巻、下巻はいつ出てくるのかとページをめくりましたが、200位になっても出てこない時点で投げました。しょうもないお手軽な戦略論の本を読む時間があったら、この本を1冊(上巻だけ)読んだ方がよっぽど力がつきます。骨太な本ですが、平易な言葉で書かれていますので、ビジネスマンなら確実にすらすら読めます。ほとんどの大学生にとっても、それほど苦労することなく読めると思います。ちなみに、原著にチャレンジしたい方は、今年の11月に4th editionが発売されるみたいですから、そちらをどうぞ。電子書籍になるんなら、僕も買おうと思います。普通に買ったら20,000円します(笑) Gaining and Sustaining Competitive Advantage

この良さを理解したのは最近のこと

実は、この本は大学時代に買っていたのですが、しっかり読んでいませんでした。それよりも、マッキンゼーのコンサルタントが書いた戦略関係の本とか、MBA系の本(バーニーの戦略論もバリバリMBAですが)など、言葉は悪いですが、お手軽な本の方が面白かったですし、良書であるきがしていました。先生に「良書」と太鼓判を押されていたのに、それを無視して、積読コースまっしぐらだったんですね。

1年ほど前に、本棚にある本を整理している内に、この本が目に止まりました。あぁ、バーニーの戦略論ね、リソースベーストビューね、と懐かしい気持ちでぱらぱら読み始めてみると、止まりませんでした。すげぇ、何だこれ。こんないい本だったのか、と。要は、理解できていなかったんですね、この本の素晴らしさを。そして、就職して、投資家目線で数多の企業の「競争優位の構築と持続」について考える経験をした後にはじめて理解できた、ということです。

この本の良さについては、Amazonレビューが詳しいのでそちらをご覧下さい。このエントリーで言いたいことはそれではないので。

既に購入している本を読み返す効用

本を買う基準は人それぞれだとは思いますが、自薦・他薦問わず、何か心に響くモノがあって購入したのだと思います。そして、読了し、捨てたり売ったりせずに保管しているということは、何かしらその本に感じるところがあったのではないでしょうか。

僕は、恥ずかしながら、バーニーの戦略論の良さは理解していませんでしたが、先生が押していた太鼓判のおかげで本棚にキープしていました。そして、実務に携わってようやくその価値に気付くことが出来ました。

新著がとめどなく出版される昨今、それを購入するのもいいのですが、むしろ過去に購入した「骨太」な本を改めて読んでみることで、中途半端な新著を買うよりもっと勉強になる場合も多々あると思います。お盆はまだ2日残っていますから、せっかくですし、本棚の肥やしになっている「既に購入済みの」「名著」を読んでみてはいかがでしょうか。

書評:プレゼンテーション Zen デザイン

プレゼンテーションZENデザイン1プレゼンテーション Zen デザインはプレゼンテーションZEN[紹介記事]の続編で、前作がコンセプト寄りだったことと比較すると、デザイン寄り、特に細かい部分も含めたテクニックが多く掲載されています。

いつものように、結論から書きますと、買いです。が、ベストチョイスではありません。ベストチョイスにはなり得ません。====

プレゼンテーションZENデザイン:内容

今作のZENデザインは、ある程度(プレゼンテーションのデザインについて)勉強した人向けの作品に思えます。前作のプレゼンテーションZENがコンセプトに重きを置き、テクニックについてはほとんど触れられていなかったことに対し、「デザイナー思考のための14条」「書体の選択」「テキストの配置」「画像の上にテキストを重ねる」「余白表現」「スペースの活用」「動きを取り入れる」などから「オリジナルの写真を撮る」というちょっと広げすぎではないかと思うくらい、多岐にわたったテクニックを紹介してくれます。もちろん、豊富な実例(悪いスライド→改善したスライド→いいスライドのような)付きです。それなら、初心者向けなのかというと、そうでもないと思っています。

理論なき技術書であり、理論を知ることが先決

実は、テクニックはあれど「理論」はないんですね。理論とは原理原則であり、数学で言えば四則演算や各種の公式に当たるものだと思って下さい。デザインの世界で理論と言えば(ノンデザイナーの私の知識では)、関連する項目をまとめる「近接」、項目を意識的に配置する「整列」、決まりごとを繰り返す「反復」、異なる要素の間で作り出す「コントラスト」でしょうか。僕はこれらをノンデザイナーズ・デザインブック [フルカラー新装増補版]で学びました(この本については前作「プレゼンテーションZEN」で言及があり、やはりいい本だったのだという確信を深めました)。そういう理論的な言及はありませんので、数学で言う四則演算や公式に当たる部分は「習得した上で」、それらをうまく活用するための「テクニック」そして「インスピレーション」を提供してくれるのが本書です。

また、タイポグラフィ(文字)について、当然のことですが英語のみです。日本語フォントについての言及は全くありませんので、そこも他書で保管する必要があります。タイポグラフィについては、僕も勉強が足りていないのですが、数冊読んだ中では、デザイン アイディア&テクニック事典01「文字。」が一番ですね。アマゾン評価は誤植等を理由に低評価ですが。ここについては、よりよい本が見つかれば、追記で紹介or改めて書評記事を書くかします。

それでも「買い」である理由

そうは言っても買いであることには間違いありません。テクニックの解説は非常に具体的ですし、受けるインスピレーションは秀逸です。プレゼンテーション資料作成関係の本、デザイン関係の本はたくさん読んできましたし、これからも読んでいくとは思いますが、この本は常に「ベター」であり続けるのではないかと思っています。ベターというのは、もっといい本があるというより、2冊目、3冊目として買った時に最大の効果がもたらされる、という意味です。セカンドチョイスとしてはベスト、かもしれません。

プレゼンテーションZENデザイン2 プレゼンテーションZENデザイン3

忘れてた点

あ、でもそういえば、黄金比に関する言及がなかったのはマイナスポイントかも。

書評?:プレゼンテーション・ゼン[presentation zen]

今日はプレゼンテーションZENという本の書評です。が、何も言わずに、スライドで語るのがこの本の書評に相応しいでしょう(ニヤリ

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プレゼンテーションZENは買いの一手

結論としては買いです。プレゼンをする機会は、知的労働者であれば増えるでしょうし、効果的なプレゼンが仕事の成否に直結するかもしれませんので。プレゼンのやり方について述べた書は多くありますし、僕も、職業柄、たくさん読んできましたが、一番始めに読むべき本がこれです。その後、ノンデザイナーズ・デザインブックを購入するのがよいと思います。最近、プレゼンテーションZENの続編であるプレゼンテーション Zen デザインという本が出ました。当然、即買いしました(後日レビュー書きます)が、これだけだと不十分ですね。まぁ、ZEN、ZENデザイン、ノンデザイナーズデザインブックの三冊を買うのをお勧めします。

絶対に、損したとは思わせない自信があります。

え?このレベルのスライドしか作れないやつが偉そうなこと言うなですって?チッチッチッ、仕事の時は本気出すんです。まだ俺は本気出してないだけ(キリッ